
「どうして自分のカッティングはうまく鳴らないんだろう?」
そんな悩みを抱えていませんか?
カッティングはいつ練習を始めても遅くありませんが、どの順番で練習するかが上達への鍵になります。

結論から言えば、出したい音を明確にして、それ以外をミュートする「メリハリ」がカッティングの全て。
このコツさえ押さえれば、誰でも歯切れのいいプレイができるようになります。
本記事では、ギター初心者の方が“音を切る”快感を味わえるようになるまでの5ステップを、図や実例を交えて解説します。
あなたもぜひ、「ただ鳴らす」から「リズムで聴かせる」演奏者へ進化してみませんか?
なぜカッティングがうまくいかないのか?【よくある失敗例】


「なんとなく弾いているけど、カッコよく決まらない…」
それは弾き方が間違っているからではなく、必要なポイントが整理できていないだけかもしれません。
多くの初心者がつまずく「あるある失敗例」を先に押さえておくだけで、カッティングの習得スピードがぐっと上がります。
ミュートが甘くて音が濁る
一番多い悩みはこれ。
「弾きたい音は出たけど、他の弦が鳴って濁って聴こえる…」というケース。
これは指の置き方と力加減が原因であることがほとんど。
特に初心者は“全部の弦をしっかり押さえる”クセが抜けておらず、不要な音まで鳴ってしまうのです。
腕の振りにリズム感がない
カッティングはリズム命です。
にもかかわらず、「音を出すときだけ腕を動かす」弾き方をしてしまうと、リズムがヨレて気持ち悪い演奏になります。

実は、出す音がなくても常に腕を振っておくのがカッティングの基本。
ストロークのリズムを一定にすることで、聴いていて心地よいグルーヴが生まれます。
この違いを理解しないまま弾くと、演奏がただのノイズや中途半端な音になってしまいます。
音を出す場所と止める場所を意識して練習することが、カッティング上達の近道です。
レベル別カッティング練習法【5ステップ】

カッティングは一気に身につけるのではなく、段階を踏んで習得していくもの。
この章では、誰でも確実に上達できるように、5つのステップに分けて練習法を解説します。
ステップ①出したい音をしっかり押さえる
まず最初に必要なのは「どの音を出すか」を明確にすることです。
ここでは、例えばド(3弦5フレット)を鳴らしたい場合でお話をしていきます。
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ド(3弦5フレット)を押さえる際に、人差し指の腹で2弦、1弦も軽く触れておきましょう。
この後に解説する「ミュート」の際に、さらにミュートすることの癖をつけることが出来る他、音をミュートするという感覚を養うことが出来ます。

まずは「音を出す弦と場所を正確に押さえる」。これがカッティングの第一歩です。
ステップ②狙った弦だけを鳴らす単音練習
正確なストロークを身につけるには「その弦だけを狙って鳴らす」練習が欠かせません。
例えば3弦だけを狙う練習。最初は弦を見ながら、徐々に見ないで弾けるようにします。
押さえ方はこんな感じに。

今回のようにド(3弦5フレット)なら、アップストロークから鳴らす場合には4、5、6弦はあまり鳴らないかもしれませんが、ダウンストロークから入る場合には4、5、6弦が鳴ってしまい綺麗にミュートすることが難しくなるかもしれません。
これは練習あるのみにはなりますが、鳴らしたい弦をアタックするという意識を持つこと。全部の弦をアタックして鳴らそうとしないこと。これがとても大事になります。

狙った弦を鳴らす=ピッキング精度の向上。音をクリアに出す基本です。
ステップ③他弦をミュートするテクニック
次に必要なのは「出したくない音を鳴らさない」ミュート技術。
カッティングのキモは、音を出さない技術=ミュートにあります。
鳴らす音だけでなく、それ以外を「鳴らさない」ことで、キレのある演奏が可能になります。
先ほどのド(3弦5フレット)で言うなら、3弦の音だけ鳴らしたいので、他の弦は鳴らさないようにするために人差し指で押さえている弦以外を他の指で軽く触れます。
※イメージとしてはこんな感じです。
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親指をネックの裏に回すと、手の自由度が増し、より繊細なコントロールがしやすくなります。
ステップ④ミュートの確認と順番弾き
しっかりミュートできているかを「1本ずつ弦を弾いて」確認します。
ちゃんとミュートできていれば、「プツッ」という小さな音だけが出るはずです。
逆に、開放弦が鳴ってしまったり、音が出てしまったらミュートが甘いということ。
確認方法は、1~6弦を順番にダウンストロークで軽く鳴らしてチェック。
「狙った音だけ」が鳴る状態が理想です。指が押さえすぎていないか・触れ方が弱すぎないかを調整しましょう。

カッティングの完成度はミュート精度で決まる!定期的に自分でチェックを。
※親指の位置
綺麗にミュートすることが出来ない場合に、解決方法の一つとして、親指をネックの後ろにもっていく方法もあります。
手が小さい方にとって、ネックを握ってミュートをするということが、なかなか難しかったりします。
なので親指はネックの後ろ側で、他指の支点の役割にするのも一つの方法です。
※指の置き方の例

ステップ⑤リズムに乗せて連続演奏
最後は、リズムに乗せて繰り返し弾く練習です。
カッティングはリズムギターの代表格。リズムがずれると「ノリ」が失われてしまいます。
だからこそ、連続演奏でリズム感と安定性を鍛える必要があります。
タ・タ・タ・タ(ストローク)
ド・ド・ド・ド(出す音)
と連続で弾いてみて、音がしっかりと繋がっていれば完璧です。
逆に他弦が鳴っていれば、押さえ方が少し甘い可能性があるので、しっかりと他の指が弦に触れているか確認してみましょう。

ストロークは常に一定に。腕を止めないことがリズムを支えます。
カッティングとブラッシングの違いとは?

」カッティングとブラッシングはどちらもストローク奏法の一種ですが、「音を出すか出さないか」が決定的な違いです。

カッティング奏法が気持ち良い理由には、これら二つを掛け合わせることでリズミックになるため、気持ちよく聴こえるのです。
カッティング練習フレーズ
ド(3弦5フレット)でリズムよくカッティングとブラッシングを行うためにTAB譜を用意しました。
ぜひ練習してみてください!


ドしか弾きませんが、カッティングの基本練習にお使いください。
カッティングは音を出して切る、ブラッシングは音を出さずに鳴らす。
この違いを理解し、意図的に使い分けることができれば、演奏の表現力は一気にアップします。
上手くなる人の共通点|腕は一定に振る

カッティングを上達させたいなら、右腕の振りを止めないことが最も大切です。
音を出すか出さないかに関係なく、腕は常に一定のリズムで振り続けることが成功のカギになります。
なぜなら、ギターのリズムは右腕の動きが作っているからです。
腕の動きが止まると、リズムもヨレてしまい、聴いていて気持ちの悪い演奏になります。
4拍子で「1・2・3・4」とリズムを刻むとき、音を出すのは「2」と「4」だけだったとしても、右腕は「1・2・3・4」とすべての拍で振れています。
この無意識のループが、ブレないカッティングの土台を作っているのです。

カッティングが上手い人ほど、音を鳴らさないときの腕の動きが美しい。
リズムを感じながら、止まらない腕をキープすること。それがカッティング上達の共通点です。
よくある悩み|ピックがズレる時の対処法
カッティング中にピックがズレてしまうのは、多くのギタリストが通る悩み。
解決のカギは、力加減とピックの選び方にあります。
これらのどれか、もしくは複数が重なっていると、演奏中にピックの位置がズレて演奏に支障が出ます。
解決法としては…
もっと詳しく知りたい方はこちらから↓
まとめ
カッティングは、ただ音を鳴らすだけの技術ではありません。
“出す音”と“出さない音”を操ることで、リズムを生み出す表現技法です。
今回紹介した5ステップを繰り返すことで、「なんとなく鳴らしていたカッティング」が、「聴かせるリズム」へと変わっていくはずです。
- 最初はド(3弦5フレット)だけでもOK
- 1日5分のリズム練習でもOK
- 完璧を目指すより、“脱力と音のメリハリ”を大事に
継続するほど、自然と体が覚えてくれます。
音が「気持ち良く出る」感覚をつかむと、ギターはもっと楽しくなります。カッティングはその最初の入り口。
ぜひあなたのペースで、ひとつずつ段階を踏んでみてください。
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