
「ギターソロをカッコよく弾いてみたい」

「憧れのアーティストみたいに、指板を自由に動き回ってみたい」
ギターを始めた人なら一度はそう思うはずです。
でもいざ練習を始めると、「単音弾きがなぜかうまくならない…」「指が動かないし、すぐ疲れる…」と悩んでしまうこと、ありませんか?

それ、練習内容の問題ではなく、“姿勢”に原因があるかもしれません。
筆者も単音弾きをはじめた頃、毎回疲れてしまい、思ったように上達せずに苦戦しました。
ところが、ほんの少し姿勢を変えただけで、驚くほど楽に弾けるようになったのです。
をわかりやすく解説していきます。
地味だけど避けて通れない“単音弾き”を、今日から一歩ずつ楽しんでみませんか?
単音弾きとは?コード弾きとの違い

「単音弾きって何?」という疑問は、ギター初心者なら誰しも一度は抱くものです。
まずはこの単語の意味を、しっかり整理しておきましょう。
単音弾きとは?
単音弾きとは、ギターの弦を1本だけ選んで弾く奏法のことです。
複数の弦を一度に鳴らすのではなく、1音ずつ丁寧に響かせるというスタイル。
ギターソロやメロディラインを表現する際に多く使われます。

アルペジオも、コードは押さえますが、弦一本ずつ弾きます。
アルペジオの例↓
コード弾きとは?
一方、コード弾きとは、複数の弦を同時に押さえて、まとめて音を鳴らす奏法です。
CコードやGコードのように、左手で“形”を作ってジャランと弾くスタイルがこれに当たります。
内容 | 使われる場面 | |
---|---|---|
コード弾き | 和音を押さえて複数の弦を同時に鳴らす | バッキング・伴奏・リズムギターなど |
単音弾き | 1本の弦を選んで1音ずつ丁寧に弾く | ギターソロ・メロディ・アルペジオなど |
なぜ単音弾きを練習する必要があるの?
単音弾きは、ギターを深く楽しむために欠かせないテクニックです。

コード弾きが“伴奏”なら、単音弾きは“主役”。
曲を彩る存在として、表現力を一気に広げてくれるのがこのテクニックなのです。
単音弾きが上手くいかない理由は“姿勢”にある


「単音弾きの練習をしてるのに、なぜかうまくならない…」
その悩み、練習メニューよりも“姿勢”に原因があるかもしれません。
よくある失敗「ギターを平行に持って覗き込む」
多くの初心者がやってしまうのが、ギターを水平に構え、指板を覗き込むような姿勢。
この状態では背中が丸まり、肩や手首にも余計な力が入ります。
結果、こんな悪循環が起こる可能性も…
解決策1:ギターは短く持つ/膝を立てる
そこでおすすめなのが、ギターを「縦ぎみ」に構える姿勢です。
座っているときは、片膝(右利きの場合は左膝)を軽く立てて、ギターのネックを顔に近づけるイメージで持ってみましょう。

この姿勢にすると、

筆者自身もこの姿勢に変えたことで、単音弾きが一気にスムーズになりました。
解決策2:足置き台を使って姿勢を安定させる
さらに姿勢を安定させたい人には、足置き台(フットレスト)の使用をおすすめします。
足台があることで、
市販のフットレストは高さを段階的に調整でき、折りたたみも可能。ギターを長時間弾く人には強い味方です。
上達しない原因が、フォームや技術ではなく「構え方」にあるとしたら…それだけで、無駄な努力を省けるかもしれません。
まずはギターの持ち方と姿勢から見直してみましょう。
単音弾きの基本練習

正しい姿勢でギターを構えられるようになったら、いよいよ単音弾きの実践練習に入りましょう。
ここで紹介するのは、初心者でも今すぐ始められて、確実に上達につながる2つの基礎練習です。
1. クロマチック練習
クロマチックとは、音階の「半音」ずつを順に弾いていく練習方法です。
例えば1弦の5フレットから順に、5→6→7→8と1音ずつ押さえていくことで、指の独立性や運指の基礎を養うことができます。
▼クロマチックのTAB譜

- どこから始めてもOK(場所に縛られない)
- 指を順番に動かすだけなのでとにかくシンプル
- リズムやピッキング精度の練習にも◎
2. スケール練習
スケールとは、ドレミファソラシドのような音階のこと。

クロマチックに比べて“音の飛び方”に規則があるため、少し難しく感じるかもしれませんが、覚えると圧倒的に自由度が上がります。
とくに使いやすいのがメジャースケールやペンタトニックスケール。
これらは、ギターソロやメロディづくりにもそのまま応用できます。
▼スケールパターン例(画像で紹介)
- スケールの形①

- スケールの形②

- スケールの形③

クロマチックとスケール、どちらを先に?

まずはクロマチックで“指を動かす感覚”を身につけることを優先し、慣れてきたらスケールで“音を覚えていく”練習に進むのがおすすめです。
この2つをセットで反復していけば、自然とフレーズがスムーズに弾けるようになります。
オルタネイトピッキングを取り入れよう

単音弾きが少しずつ形になってきたら、次のステップは「オルタネイトピッキング」です。
これは、ダウンピッキング(下方向)とアップピッキング(上方向)を交互に使って弾く奏法で、単音弾きを滑らかにするために欠かせない基本テクニックです。
練習のコツ:ゆっくり&一定のテンポで
始めのうちは、「ダウン→アップ→ダウン→アップ」と声に出しながらでもOK。
大切なのは、「どこから始めても交互に続けること」と「リズムを崩さないこと」です。
いきなり速く弾く必要はありません。

メトロノームを使って、60BPMくらいのゆっくりしたテンポから始めて、1音1音をしっかり意識して弾くことが、上達への近道です。
失敗しがちなポイント


ピックは短く・深めに持つ、腕ではなく指先の柔らかい動きでピッキングを意識してみましょう。
- ピッキングのスピードと安定感が向上する
- リズム感のキープがしやすくなる
- 指とピックの連携がスムーズになり、フレーズが自然に流れるようになる
特にクロマチック練習との相性が抜群で、順番に弾くだけのシンプルな流れの中で、オルタネイトの動きを反復できるのが大きな利点です。
単音弾き+オルタネイトで“脱ぎこちない音”を卒業!
単音弾きにオルタネイトピッキングを組み合わせることで、「ガチガチの練習」から「音楽的な演奏」にステップアップできます。
いまはまだ1音1音を探るような手つきでも、オルタネイトを意識するだけで“流れ”が生まれてくるはずです。
練習のコツと継続のためのポイント

単音弾きの練習は、地味でコツコツ型。
だからこそ、ちょっとした工夫と心構えが、継続と上達の鍵を握ります。
ここでは、筆者自身も効果を実感した「実践的なコツ」をご紹介します。
指1本から始めて感覚を養う
まずは人差し指1本だけでスタートするのがオススメです。
「今どの弦を、どのフレットを押さえているのか」を正確に意識できるからです。
最初は、「ド・レ・ミ・ファ…」と一音ずつ確認しながら、左手と右手の位置関係を脳と体に覚えさせるのが目的。
音を“耳”でも覚える習慣を
ただ「指が動くようになる」だけでなく、鳴らした音を耳でも確認するクセをつけると、上達のスピードが段違いになります。
…と、音感が少しずつ育っていくので、フレーズ作りやアドリブにも役立ちます。

「この音が鳴るって、こういう響きなんだな〜」くらいの軽い感覚でOKです!
ピックは短く持つと弾きやすい
ピックを深めに持つことで、弦との接地面が安定し、無駄な力を入れずに音が出せるようになります。

特に単音弾きでは、「ブレないピックの持ち方」が演奏の安定感に直結します。
手元が不安定だと、リズムも音質も崩れてしまうため、ここは軽視せずに意識してみましょう。
慣れてきたら他の指も使ってみよう
人差し指で基礎がつかめたら、中指→薬指→小指と、徐々に使用する指を増やしていきましょう。
…といった問題が出てきますが、「ゆっくり」「確実に」「繰り返す」ことで、必ず改善されます。
イラっとしたら、やめる勇気も必要
ギターは楽しいはずなのに、「なんでこんなにできないんだ…」とイラつくこともありますよね。
そんなときは、思い切って練習を中断してもOK。
上達は短距離走ではなく、マラソンです。モチベーションを維持することの方が、遥かに大事。
別の曲を弾いたり、好きな音楽を聴いたりして、気持ちをリセットする時間も、上達の一部です。
まとめ
ギターの単音弾きは、シンプルに見えて奥が深い練習です。
うまくいかない原因は「指の使い方」だけでなく、「姿勢」「道具」「心構え」にも隠れています。
今回の記事で紹介したように、
- ギターを短く持ち、膝を立てて構えるだけで疲れにくくなる
- クロマチックやスケールを繰り返すことで運指が自然になる
- オルタネイトピッキングでリズム感と表現力がアップする
- 練習に迷ったら、指1本から&ピックの持ち方を見直すだけでも効果あり
これらの小さな積み重ねが、確実に“弾ける自分”を作っていきます。
焦らなくて大丈夫。
「今日の1音」が、1ヶ月後の“自信”になります。気持ちよく響くその瞬間を、あなた自身で体験していきましょう!
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