ギター初心者から中級者になるにつれ、

「コード進行がワンパターン」

「演奏が単調に聴こえる」
と感じる場面もあるでしょう。
そこで鍵となるのが“ハイコード”です。

ハイコードを取り入れることで、音の響きに深みが増し、コードチェンジに動きが出て、一気に「おしゃれなギター」に変わります。
本記事では、初心者でも挑戦しやすいハイコードの基本解説と、すぐに使えるおしゃれなコード進行を5つ厳選して紹介します。
ハイコードって?

「ハイコード」と聞くと、難しそうな響きがあるかもしれませんが、実はギターにおけるコード演奏の中でも非常に基本的な考え方の一つです。
ハイコードとは、開放弦を使わずに、すべての弦をあるフレット位置で押さえて鳴らすコードのこと。

特に、1本の指で複数の弦をまとめて押さえる“バレーコード”がその代表例です。
ローコードとの違いとは?
初心者が最初に覚えるCやGなどのコード(ローコード)は、開放弦を含んでいて押さえやすいのが特徴。
一方、ハイコードはすべての弦を押さえる必要があるため、指の力とフォームの安定感が必要になります。
たとえば、「Fコード」。
これは多くの初心者がつまずくポイントですが、実はこれも立派なハイコードの一つ。

Fが押さえられるようになると、形をそのままスライドさせてGやAなど他のコードにも応用できるようになります。
バレーコード=難しい、という印象を持たれがちですが、慣れればむしろ「自由度の高いコード」として大きな武器になります。
おしゃれに聴かせる!ハイコード進行5選

ここからは、ハイコードを使って演奏が“グッとおしゃれに聴こえる”おすすめのコード進行を5つ紹介します。
それぞれに雰囲気や特徴があり、ジャンルや曲調に応じて使い分けられるようになります。
① 丸サ進行|J-POPの定番おしゃれ進行
明るくもどこか哀愁があり、現代のポップスにぴったりの響き。YOASOBIや椎名林檎さんの楽曲にも登場。
- Fmaj7→E7→Am7→Gm7→C7
コードの押さえ方と弾き方を紹介↓


「あ、この進行知ってる!」と思ったこともあるはず。
② ジャズ風コード|Ⅱ→Ⅴ→Ⅰの美しさ
オシャレ度高め!都会的で洗練された響きが特徴。
- Dm7(9)→G7(13)→Cmaj7(9)→A7(♭13)
コードの押さえ方と弾き方を紹介↓


カフェで流れていそうなジャズ風味。
③ ラブソング風コード|甘く柔らかい進行
優しく切ない雰囲気が魅力。『Lovin’ You』のコード感をハイポジションにアレンジ。
- F△7→Em7→Dm7→C△7
コードの押さえ方と弾き方を紹介↓

④ カッティング進行|ノリ重視でかっこよく
ファンクやポップに合う、ノリの良いカッティング向き進行。三和音(トライアド)を省略してシャープに!
- F♯→A♯m→D♯m→C♯
コードの押さえ方と弾き方を紹介↓。(各コードの三和音【トライアド】で構成されたコード運びとなります。)

⑤ ダークで大人っぽい進行|Gm6が効く
少し哀愁のあるジャジーで深い響き。メロウなR&B系やバラードにぴったり。
- G△7→Gm6→F#m7→Bm7
コードの押さえ方と弾き方を紹介↓

練習のコツ

ハイコードをマスターするには、単にコードフォームを覚えるだけでは足りません。
指の使い方、力加減、練習の順序など、いくつかの“コツ”を押さえておくだけで、上達スピードがグッと上がります。
よくあるつまずきポイント
ハイコードを覚えようとしている方にとって、つまずきやすいポイントはこちら。
- 音がしっかり鳴らない(ミュートしてしまう)
- バレーが安定しない/握力が足りない
- 指が痛くて続けられない
指の腹で押さえてしまっている、または指が寝すぎている場合が多い印象を受けます。
その多くの原因として、手首を絞りすぎていたり、親指の位置がずれている可能性があります。

なので、一度に長時間やらず、短時間×高頻度で続けることを意識しましょう。
練習の順序とステップアップのポイント
- その①まずはFコードだけを安定して押さえられるようにする
1弦ずつ鳴らして「すべての弦がしっかり鳴っているか」を確認しましょう。
- その②Fコードをそのままスライドして、GやAで同じ形を体に覚え込ませる
- その③2つのコードを使ったコードチェンジ練習(例:F→G→F)
- その④1曲の中に出てくるハイコード進行をゆっくりなテンポで再現
- その⑤動画や音源に合わせてリズム練習/カッティング練習にも挑戦
習得に時間がかかるのは当たり前。
ですが、1日10分でも「正しいフォームで継続」することが、遠回りのようで一番の近道です。
まとめ
ハイコードは、最初こそ難しく感じるかもしれませんが、少しずつ慣れていけば確実に“あなたのギターの音”が変わっていきます。
開放弦を使わないぶん、音が引き締まり、コード進行の自由度もぐんと広がります。
今回ご紹介したような進行を覚えるだけでも、演奏に深みや立体感が生まれ、「なんかプロっぽい!」と感じられる瞬間が増えるでしょう。
また、ハイポジションでのコードワークは、アレンジや作曲にも応用できる武器となります。
単なる“コードの押さえ方”にとどまらず、あなたの表現力を底上げしてくれる存在です。
ぜひこの記事で気になったコード進行から一つでも試してみてください。
ハイコードを味方につければ、ギターはもっと楽しく、もっとあなたらしく響くようになります。
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