ギターでアドリブ演奏を楽しみたいと思ったとき、誰もが一度は、

「どうやって練習したら上手くなるのか?」
と悩むものです。
特に、“フレーズが出てこない…” “コードに合う音が分からない…” と感じている方は多いはず。

そんなときに効果的なのが、「良い音楽をたくさん聴く」こと。
でも、ただなんとなく音楽を流すだけでは、なかなかアドリブ力は伸びません。
この記事では、ギターアドリブのセンスを磨きたい方に向けて、聴くだけで“引き出しが増える”、しかも“コピーしやすい”名曲を5つ厳選しました。
Can You Feel the Love Tonight / Richie Kotzen
ディズニー映画『ライオン・キング』で知られるバラードを、ギタリストのリッチー・コッツェンがインストゥルメンタルで大胆にカバー。
原曲の美しさを残しつつ、ソウルフルなギターワークが光る1曲です。
よく、フィンガースタイルギターなどでカバーされがちですが、曲中にある、サビ部分に注目。
サビの明るい雰囲気のメロディは、かなりキャッチーで、引き付けられるフレーズなので、コピーしたいと思うこと間違いなしです。
演奏のヒント


keyは(E♭-F)です。サビ部分では、単音弾きのため意外とフレーズのコピーもしやすいですよ。
さらに、フレーズに慣れてくると、写真の黄色のポジションで自由にフレーズを作ってアプローチしてみるのも楽しいかもしれません。
Crossroads / Cream(クリーム)
ロバート・ジョンソンが1937年に発表した「Cross Road Blues」を、エリック・クラプトン率いるCreamがロックアレンジした定番曲。
1968年リリースのライブ版は、ロック史に残る名演として知られています。
原曲のクロスロードブルースと比べ、この曲はBPM128ととてもテンポが速い曲です。
なので、最初は、ブルースに慣れる意味でも、原曲の方のシャッフルリズムで練習してみてもいいかもしれません。
演奏のヒント
この曲のテンポでアドリブするならば、例えば、keyはAの場合。

このポジションでこんな風に弾いてみましょう。

原曲はBPM128。最初はロバート・ジョンソン版(スローシャッフル)から始めるのもおすすめ。
Highway Tune / Greta Van Fleet(グレタ・ヴァン・フリート)
2017年にリリースされたGreta Van Fleetのデビューシングル。
レッド・ツェッペリンを彷彿とさせるサウンドで、一躍注目を浴びたハードロックナンバーです。
アメリカのロックチャートでは4週連続1位を獲得した実力派。
中でも、ギターソロに注目。ブルースの必殺技というか、ここぞ!の時によく弾くあのフレーズが入っています。
そしてこのフレーズはブルースだけはなく、ロックやポップスなどにも多用されているので、ぜひ覚えてみましょう。
演奏のヒント
この曲はAmなので、Amペンタトニックスケールを使います。
ゆっくりと弾くとこんな感じ。

ギターソロは短く、覚えやすいので、コピー→変化で遊べる!
Isn’t She Lovely / Stevie Wonder(スティービー・ワンダー)
1976年リリースの名盤『Songs in the Key of Life』に収録された、スティービー・ワンダーの代表曲。
日本でもCMやBGMに使われることが多く、耳馴染みのある明るいメロディが特徴です。
もとは歌ものですが、ギターセッションの現場でもスタンダードとして定着しています。
この曲はギターアドリブセッションでもよく使われている曲ですが、サビ終わりに「テーマ」と言われるフレーズが入ります。
歌の部分をギターでコピーして弾いても楽しいし、テーマまでの過程をメジャースケールやペンタスケールを使ってでオシャレに弾いてみても楽しいかもしれませんよ。
演奏のヒント
Isn’t She Lovelyのコードバッキングでテーマを弾いてみました。

サビ終わりに入る“決めフレーズ=テーマ”をコピーしよう!
Just the Two of Us / Bill Withers(ビル・ウィザース)
1980年リリースのアルバム『Winelight』に収録された名曲。
グローヴァー・ワシントン・ジュニアとの共作で、R&Bとジャズの心地よさが融合した一曲です。
Billboard Hot 100では2位を記録し、グラミー賞も受賞したまさに“定番中の定番”。
数々のミュージシャンによってカバーされ、現在はジャズやR&B、フュージョンなどのジャムセッションにて定番曲としてよく演奏される楽曲です。
日本でもこの曲のコード進行(Fmaj7ーE7ーAm7ーC7)はさまざまな曲に使用されており、代表的な曲で言えば…
なぜ“聴くこと”がアドリブ上達につながるのか?

ギターアドリブが上達する人の共通点は、例外なく「よく聴いている」こと。
ただし、ここでいう“聴く”は、「コード進行」「リズムのノリ」「フレーズの使い方」などに耳を向ける“分析的な聴き方”を指します。
特にアドリブでは、
が重要です。
そのため、優れた演奏を“聴いて真似る”ことは、理論を詰め込むよりも即効性があります。

実際にプロのギタリストも、耳で覚えたフレーズを“ネタ帳”として引き出して使っています。
聴くだけで終わらせない!アドリブに活かす3ステップ

おすすめ曲をただ聴いて終わるのではもったいない!
アドリブに本当に活かすには、以下の3ステップを意識するだけで効果がぐっと高まります。
STEP1:耳コピして“そのまま弾く”
まずはギターを手に取り、曲の中で「いいな」と感じたフレーズをそのままコピーしましょう。

完璧でなくてもOK。耳で覚えて指に馴染ませることが大切です。
STEP2:スケールやポジションに置き換える
コピーしたフレーズを、どのスケール・どのポジションで弾けるのかを探ってみます。
例えばAmペンタで弾けるフレーズなら、5フレットポジション→12フレットポジションと移してみると理解が深まります。
STEP3:少し変えて、自分なりに“つなげる”
最後は、自分の他のフレーズとつなげたり、リズムを変えてみたりして「アドリブっぽく」変化を加えてみましょう。
こうして引き出しが増えていくことで、どんなコード進行にも自然に対応できるようになります。

「コピー → 解体 → 変化」の繰り返しが、アドリブ上達の黄金パターンです。
まとめ
今回は、ギターアドリブが上達するために「絶対に聴いておきたい名曲5選」をご紹介しました。
アドリブは“理論”だけでなく、“耳”と“感覚”が非常に大切なジャンルです。
だからこそ、良い曲を「どう聴くか」で上達スピードが大きく変わってきます。
- Can You Feel the Love Tonight / Richie Kotzen
- Crossroads / Cream
- Highway Tune / Greta Van Fleet
- Isn’t She Lovely / Stevie Wonder
- Just the Two of Us / Bill Withers
「このフレーズ、コピーしてみたい」「このコード感、真似してみようかな」
そんな“気づき”から、あなたのアドリブは必ず広がっていきます。
まずは1曲、ギターを手に取って真似してみましょう!
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