自動車の自動運転システムの技術進歩はとても著しい速度で進んでいる現在。
高速道路などの一定の条件であれば、すでにハンズフリーの状態でも運転が可能となっているところもあります。
自動運転中は車に任せて、道中の空いた時間にドライバーは気兼ねなくギターを弾ける…なんて未来を想像すると楽しそうですよね。
車の自動運転化技術が日進月歩で進む中、ギターの進化にも目が離せません。今回は進化し続けるギター、「カーボンギター」について解説していきます。
カーボンギターの技術自体は何年も前からあり、現代の定番ギターとなりつつあります。
しかし、車内でギターの練習をしたい方や、隙間時間のちょこっと弾きたい、短期間だけ車内で保管しておきたい方にとって、木製であるギターにとって車内は優しい環境とは言えません…。
カーボンギターは耐熱性、耐寒性、乾燥、湿度にも強いとは聞いたことあるけど、実際どうなの?車内で練習しても大丈夫なの?
そんなカーボンギターの特徴、デメリットがあるのか?また、アコギとの音の聴き比べなどを今回はご紹介させていただきます。
目次
カーボンギターの特徴
軽量性
まずなんと言っても、軽い。カーボンファイバーで作られたギターは非常に軽量です。通常の木製ギターより、とても軽く、内で弾く場合に持ち運びにも最適であり、演奏中も快適にプレイすることが出来ます。
重量の比較 | |
---|---|
一般的な木製ギターの重さ | 1.8kgから2.4kg程度 |
カーボンギター | 1.2kgから1.7kg程度 |
1kg弱ほどの重さなので、とても持ちやすいので疲れにくいです。
気温や湿度への耐性
カーボンギターの強みとして、気温や湿度の変化に対して比較的耐性があります。
木製ギターは気温や湿度の変化に敏感であり、車内や、ライブ会場など気温、湿度の変動が激しい環境では木材が膨張や収縮することがあります。
しかし、一方のカーボンギターはこれらの変化に対して比較的耐性があり、安定性を保ちやすいため、異なる気象条件下での演奏に適しています。
カーボンギターは温度や湿度の変化の影響を受けにくいため、音楽の演奏中にチューニングが安定しやすい。パフォーマンスが向上し、演奏に集中しやすくなるのはメリットですね。
耐衝撃性
カーボンファイバーギターは非常に耐久性があり、通常の木材よりも衝撃や落下に対して頑丈で強靭な素材で作られています。
ギターを運ぶ際や、車内での動きが制限された場所、ライブパフォーマンス中にギターが落下し、演奏中のトラブルなどによる傷やへこみの心配もいりません。
そのため、外観を保ちやすく、フォルム維持しやすい点で優れています。旅行や野外での演奏など、厳しい環境下での使用にカーボンギターは適していると言えます。
音質
カーボンギターは木製ギターとは異なる音質を持ちます。一部のプレイヤーはその明瞭な鳴りや均等な音響特性を好む一方、木製ギターの暖かみや木材固有の音質を好むプレイヤーもいます。
音の質はカーボンギターの製造方法や設計によって異なるため、一概に良し悪しを決めることはできませんし、個人の耳で感じることが重要です。
木材は時間と、プレイヤーとともに変化していき、年月が経つにつれて音質に影響を及ぼすことがありますが、カーボンファイバーギターは比較的一貫性のある音質を長期間にわたって維持しやすいです。
私もギターを始めた頃に「ギターは音を育てていくもの」と聞いたことがありますが、初めから音が仕上がっているため、変わることのない音質を出してくれるのは嬉しいですね。
カーボンギターのデメリット
カーボンギターについて知っていくと、「これだけ良いことが書いていると、デメリットもあるんだろうな」と思いの方もいらっしゃるかもしれません。
いくつかご紹介していきます。
音質の好みが分かれる
ここが一番好みが分かれる分岐点になる可能性が高く、カーボンギター独特のパリッとした音は木製ギターの暖かい音や木材固有の音とは異なるため、一部のプレイヤーの中にはカーボンギターの明瞭な鳴りや均等な音響特性が好みではない場合があります。
価格が高いものが多い
カーボンギターは木製ギターよりも一般的に高価であることがあります。
高品質のカーボンファイバーコンポジット材料や製造技術による高いコストが要因です。しかし、逆に考えると、それ一台さえ持っておけば塗装剥げ、ネック反り、ビビり、弦高不良などの心配がないのはいい点ですよね。
重さが足りなくてしっくりこない
カーボンギターは一般的に軽量ですが、一部のプレイヤーにとっては重さが不足していると感じることがあります。軽すぎるギターは、演奏時に安定感を欠くことがあります。
木製ギターで慣れているとカーボンギターは軽量であるが故に、初めて持って演奏してみると、違和感が生まれるかもしれません。しかし、最初の方だけなので、徐々に慣れていきますよ!
修理の難しさ
カーボンファイバーコンポジットは木材とは異なる材料であり、修理が難しい場合があります。特に、大きな破損が発生した場合、修理が難しいことがあります。
少々の傷では傷つきにくいとされていますが、一般的に…
などのトラブルと出くわした場合に修理に時間がかかったり、費用が一般的なギターと比べて多くかかる可能性があります。
自身でもカーボンクロスなどを使い補修は可能ではありますが、見た目が変わってしまう、音質への影響があるなどの危険もあるため、プロのリペアマンや、楽器店にお願いするようにしましょう。
カーボンギター、アコギとの音の聴き比べ
先ほど、デメリットになる部分で音質の好みを挙げましたが、では実際にカーボンギターとアコギの音の違いを聴き比べてみましょう。
※音量に注意してください。
使用するギターは
こちらはEpiphone DR-400 MCE(アコギ)の音(車内で録音)
こちらがEnya Nova Go(カーボンギター)の音(車内で録音)
アコギと比べると、木材の音ではない、明瞭で張りの良い音が出ますね。
車内での制限された空間においても、サイズも小さく、取り回しがイイです。トラベルギターとして持ち運びにも最適ですね。
と敬遠する方もいらっしゃるかもしれませんが、確かに、この音から伸びしろがないと言えば、デメリットになるかもしれません。
しかし、逆に音自体は最初から完成されているものだと思えば、カーボンギターの魅力がより一層深まるかもしれませんよ。
カーボンギターの耐久性チェック
耐久性に定評のあるカーボンギターですが、実際に車内でギターを演奏する人にとって、3日保管してみて変化はあるのか?3日程度ではありますが、実験してみましょう。
Enya Nova Goを使い検証します。
16:00 天気:晴れ 外気温:20℃ 湿度:62%の環境にて車内で保管。
3日後の10:00 天気:晴れ 外気温:20℃ 湿度:60%
結果としては…
耐久性としては、かなり丈夫です。カーボン素材自体が熱に強いため、日差しが強く差し込み温度が上昇する車内でも、熱を持ったり、変形することもありませんでした。
音質にも変化は見られませんが、見えない部分としては弦の劣化は多少進んだぐらいかと思います。
メンテナンス不要?かと思われますが、弦やフレットはカーボン素材ではないので、クロスで全体の吹き上げ、弦のコーティング(指板潤滑剤)は弾いた後に必ず行いましょう。
他のトラベルギターもご紹介
車と同様、ギターも進化していることを「カーボンギター」を使い説明させていただきました。
カーボンギターも、Enya Nova Goのカーボンギターだけではありません。車内でギターを弾こうと思っている方に、演奏のパフォーマンスを上げるトラベルギターをいつくかご紹介いたします。
Journey Guitars Japan(ジャーニーギター)
トラベルギターの革新的なギターであるJourney Guitars Japanさんから出されている「折りたためるギター」です。ネック取り外し可能で、専用のバッグも付いているため、持ち運びに最適です。
Journey Guitars Japanさんも持ち運べるギターとしてカーボンギターが出されているので、チェックしてみてはいかがでしょうか。
LAVA MUSIC(ラヴァミュージック)
LAVA MEシリーズで有名なカーボンギターの巨匠。ギター自体にタッチスクリーンを搭載し、ギター本体でルーパー機能をこなしたり、様々なエフェクターをかけたり、ギターの基礎練が出来たりと、用途は多岐に渡るほど機能性はバツグンです。
ENYA GUITARS(エンヤギター)
低価格でありながら、本格的品質を持つエンヤのギター。上記2つは10万円近い商品を提供しているが、エンヤギターでは2万円台でカーボンギターを販売しています。
まとめ
これからの時代、車の自動運転化技術は確実に進んでいきます。
一般道でも自動運転の普及が進み、ドライバーは視認なしで運転ができるとしたら空いた時間に読書、仕事…など出来ることが色々と思い浮かびます。なにをして過ごされますか?
車内ギターの最適解である「カーボンギター」を手に車内でギター演奏を出来る時代はすぐ来るかもしれませんよ。
さらに、いずれ車内がライブ会場と化したり、車とアンプの融合などなど…車と音楽の可能性は次のステップへと踏み出していくでしょう。
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