
「どこでも練習したい」

「でも近所迷惑にならないか不安」
そんな思いを抱えるギタリストも多いのではないでしょうか。特に住宅密集地やアパート暮らしの方にとっては、場所選びや音量の配慮が欠かせません。

結論から言うと、アコースティックギターであれば車外に漏れる音は意外と小さく、エレキギターも工夫次第で迷惑にならずに楽しめます。
では、実際に車の中でギターを弾いた場合、外にはどれくらい音が漏れるのでしょうか?
また、その音漏れを軽減するためには、どんな簡単な対策があるのでしょうか?
本記事では、車でギターを弾いたときの実際の音漏れレベルを検証しつつ、手軽にできる防音アイテム3選も紹介します。
- 車内でギターを弾いたときの音漏れの大きさ(アコギ・エレキ別に解説)
- 騒音の目安となる「デシベル(dB)」の基準と比較
- エレキ演奏時の低音の音漏れリスクと注意点
- DIYでできる簡単な車の防音アイテム3選とその使い方
これを読めば、車内ギターライフをもっと自由に、もっと快適に楽しめるようになりますよ!
ギターを車で弾くと音漏れはする?

「車の中なら大丈夫でしょ?」と思いがちですが、実は車内の音も意外と外に漏れていることがあります。

特に夜間や住宅街では、小さな音でも“うるさい”と感じられてしまうことも。
そのため、まずは“音漏れの感じ方”を数値で理解することが大切です。
音量の単位「デシベル(dB)」とは?
音の大きさは「デシベル(dB)」という単位で測定されます。数字が大きいほど音が大きく、次のような目安があります。
音の大きさ(dB) | 具体例 |
---|---|
130dB | 肉体的苦痛を伴う限界音 |
100dB | クラクションの音 |
80dB | ピアノの音 |
60dB | 一般的な会話、車の走行音 |
40dB | 静かな住宅地、図書館 |
30dB | ささやき声、深夜の郊外 |
人の感じ方には個人差がありますが、60dBを超えると「ちょっとうるさい」と思われがちです。
騒音と感じられる基準は?住宅地・駐車場の注意点
ギターの音が「騒音」として受け取られるかどうかは、場所と時間帯によって大きく変わります。
騒音と感じられる基準
- 住宅街やマンション横の駐車場では50dB程度でも気にされる可能性あり
- 夜間(22時以降)は特に音に敏感になる環境
- 近くに住人がいるときは、会話レベルでも気をつけたい

たとえば、アコースティックギターを力強く弾いた場合、車内で60~70dB程度になることもあります。
車の遮音性能が高くても、完全にはシャットアウトできないため、音が「聞こえる・聞こえない」のギリギリを攻める感覚が大事です。
アコギとエレキ、車内での音漏れ比較
ここでは、アコースティックギターとエレキギターでの実測値をもとに、音漏れの違いを比較します。
まずは車内の停止時、走行時の音レベルを見てみましょう。(画面録画したものをあとでスクショしています。)
車内の停止時、走行時の騒音レベル(目安)

これは車の基本的な遮音性能の違いにもよりますが、大体このレベル帯で音が出ています。
アコギ:車外に漏れる音は意外と小さい?

車内で演奏中のアコギでは、どのくらいの騒音レベルなのでしょうか。車の中と、外の音のレベルを比べてみましょう。

結論から言うと、アコギの音漏れは比較的小さいです。
筆者が実際に車内でアコギを演奏し、スマホアプリでデシベル(dB)測定を行ったところ、以下のような数値が確認されました。
つまり、車に近づかなければ音が聞こえないレベルで、周囲に大きく響いている感覚はありません。
アコギは電気を通さず、音の指向性も限定的なので、車体がある程度の遮音材として機能してくれているのです。
注意したいのは、夜間や早朝など周囲が静かな時間帯。通常よりも音が目立ちやすくなるため、時間帯の配慮は必須です。
エレキ:低音域が意外と響く、振動も注意

一方でエレキギターを使用した場合は、話が変わってきます。
オーバードライブでGAINやVOLUMEを10時方向に設定して弾いたところ、車内の音量はアコギと同等(60〜70dB)だったにもかかわらず、「低音域の振動が車体を通して外に伝わっている」と実感。

実際の測定では…
つまり、“音”というより“振動”が伝わってしまうのがエレキの特徴。

特に低音重視のセッティングでは、周囲に「重低音が響いている」と感じさせてしまう場合があります。
録音データや測定値まとめ
ギタータイプ | 車内音量(dB) | 車外音量(dB) | 備考 |
---|---|---|---|
アコギ | 60〜70 | 40〜50 | 車外ではほぼ気にならない |
エレキ | 65〜75 | 50〜55 | 低音域が響きやすい |
また、測定アプリで録画・録音した映像からも、「車を1〜2メートル離れるとアコギはほぼ聞こえないが、エレキの低音はぼんやりと響いていた」と確認できました。
このように、音量の数値が同じでも、音質や振動によって感じ方が大きく違うのがアコギとエレキの特徴です。
防音対策をする際は、ギターの種類に合わせたアプローチが必要です。
防音施工のメリット・デメリット

簡易DIYでも防音効果は感じられる?
結論から言えば、簡易なDIYでも防音効果はしっかり体感できます。
特に「アコギの高音」「エレキの低音」など、響きやすい音域を軽減するだけでも、周囲への音漏れに対する安心感が増します。
防音マットや吸音材を設置するだけでも、車内での音の反響が抑えられ、演奏時の快適さがアップします。
さらに、副次的に「ロードノイズ」や「風切り音」も低減されるため、日常運転にも良い影響が出ます。

筆者が敷いたロードノイズ低減マットでは、走行中の車内のざわつきがかなり静かになり、ギターの響きがクリアになった印象を受けました。
プロ施工とDIY、それぞれの違いと判断ポイント
- 費用が安く済む:基本的に材料費のみ
- 好きなタイミングで施工できる:自分のペースで作業OK
- 撤去も簡単:構造を壊さず、元に戻せる
- 車種や目的に合わせた最適設計が可能
- 素材の選定から施工まで精密で安心
- 耐久性・密閉性が段違い
「住宅が密集しているエリア」「夜間練習が多い」「エレキをガンガン鳴らしたい」など、本格的に防音したい方はプロ施工がおすすめです。
自分でできる!車の防音対策3選

ここでは、専門業者に頼らずとも試せる、簡単で効果的な3つのアイテムをご紹介します。
防音マットをフロアに敷く
防音マットは、ギターの音だけでなくロードノイズやエンジン音の軽減にも役立つアイテム。市販のマットを既存のカーペットの下に敷くだけでOKです。
遮音材には「音を跳ね返す効果」、吸音材には「音を吸収する効果」があります。
防音マットは両方の効果を兼ね備えた製品が多く、ギターの中音域・高音域の音をしっかりカットできます。
吸音材をドアなどの隙間に詰める
ギターの音は、車のドアや窓の微細な隙間から漏れ出てしまいます。ここにチューブ状の吸音材を詰めるだけで、音漏れを大きく抑えられます。
音は空気の振動なので、隙間があると想像以上に抜けてしまいます。吸音モールや防音チューブを使えば、密閉度が上がって、音漏れ・風切り音両方をカット。
オトナシートで振動対策もプラス
低音域は振動として車体に伝わり、外部に“響く”ことがあります。そんなときに便利なのが制振シート「オトナシート」です。
裏面が粘着加工されているため、ハサミで切って貼るだけの簡単施工。主に、ボンネット裏や床下などに使われ、ギターアンプの振動を抑える効果も期待できます。
まとめ
車の中でギターを弾くというスタイルは、時間や場所にとらわれずに演奏できる自由な選択肢です。
しかし、音漏れによって周囲に迷惑をかけてしまっては、せっかくの練習も気を遣ってしまいます。
簡単な防音対策を施すだけでも、音漏れはかなり軽減されます。
アコギやエレキの特性に合わせて、防音マット・吸音材・オトナシートなどを上手に活用すれば、住宅地やマンションの駐車場でも安心して演奏できます。
防音対策は、「迷惑をかけない」ためだけでなく、自分自身がのびのびと音を楽しむための第一歩でもあります。
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