2025年夏、サカナクションがYouTubeで公開中のライブ映像作品「SAKANAQUARIUM2019 ‘834.194’」が大きな注目を集めています。
その中でも特にSNSで話題となっているのが、アンコールの1曲目『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』から2曲目『夜の東側』への繋ぎです。
今回はこの”神演出”と称されるシーンにフォーカスし、その魅力を深掘りしてみましょう。
話題のきっかけはファンのX投稿から
X(旧Twitter)では以下のような投稿が大きく拡散されました。
バスピス(@baspis_zutosaca)さんの投稿より:
「今回の834.194ライブの見どころを皆さんに教えしましょう。バッハからの夜の東側の繋ぎ。ここだけは絶対見てください。後悔はさせません」
この投稿をきっかけに、ライブ映像を見たファンたちの間で「そこは震えた」「映像も音も完璧」「あの流れだけ何度も見返したい」と感動の声が相次ぎました。
なぜ“神演出”と呼ばれるのか?
ファンの間では、X(旧Twitter)やnoteなどで「バッハから夜の東側の繋ぎ」に言及する投稿が急増しており、「映像と音響の一体感がすごすぎる」「あのシーンは映像作品として完成されている」といった称賛が相次いでいます。
とくに、リアレンジされた『夜の東側』が原曲とは異なり、ライブならではのグルーヴと音圧で披露されていることに対して、ファンからは「ライブでしか味わえない興奮がある」との声も。
また、映像監督・田中裕介氏の演出によって、クラシック的な静寂と現代的ビートの転換がビジュアルでも明確に提示されており、noteやブログメディアでは「都市と郷愁をつなぐ構成美」と高く評価されています。
以下では、演出の具体的要素をさらに詳しく見ていきます。
演出の妙:音響・映像・ライティングの融合
『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』では、静謐でクラシカルなピアノとストリングスの旋律がゆっくりとビートミュージックに変化し、観客を“夜”という都市的な異世界へと導いていきます。
終盤ではエフェクトがかかったシンセパッドが重なり、照明が深い青から鋭利な白光、そしてストロボ効果へと展開。
この一連の流れが映像・音響・照明を通して極限まで高揚感を引き上げ、まるで夢から覚めたような没入感とともに次の曲へ橋渡しします。
カメラワークの巧みさ
映像監督・田中裕介氏(代表作にRADWIMPS「オーダーメイド」など)による演出では、『バッハ〜』においてカメラはステージをじっと見つめるかのように静止、まるで舞台演劇を観ているかのような緊張感を生み出します。
そして『夜の東側』に切り替わる直前、
スローパン→ズームアウト→クレーンショット→オーディエンスのシルエットを取り込む全景ショット
と、視覚情報が爆発的に切り替わることで、ライブの現場にいるかのような体感を与えています。
バッハ〜夜の東側”以外にも注目したい演出シーン

本作では「バッハ〜夜の東側」以外にも、演出・音響・照明が一体となった名シーンが数多く存在します。特に注目したいのは以下の場面。
- 『ナイロンの糸』:ステージ全体を包み込むようなディレイ演出と暖色系照明が観客の没入感を高めます。
- 『ミュージック』〜『新宝島』:アップテンポなグルーヴが続く中でレーザー演出とオーディエンス照明の連動が印象的。
- 『多分、風。』:静寂から風音が混ざるようなSEとともに始まり、後半にかけて疾走感が増していく演出が秀逸です。
それでは次に、実際のセットリストの流れを確認してみましょう。
セットリストの流れを再確認
以下が「SAKANAQUARIUM 2019 “834.194” 6.1ch Sound Around Arena Session」のフルセットリストです。
全24曲+アンコール3曲の大ボリュームで構成されており、『834.194』の世界観を軸に、過去の名曲を織り交ぜた流れとなっています。
本編:
- セプテンバー (Acoustic)
- Opening (000.000〜834.194)
- アルクアラウンド
- 夜の踊り子
- 陽炎
- モス
- Aoi
- さよならはエモーション
- ユリイカ
- years
- ナイロンの糸
- 蓮の花
- 忘れられないの
- マッチとピーナッツ
- ワンダーランド
- INORI
- moon
- ミュージック
- 新宝島
- アイデンティティ
- 多分、風。
- セプテンバー -札幌version-
アンコール:
- EN1:バッハの旋律を夜に聴いたせいです。
- EN2:夜の東側
- EN3:グッドバイ
監督・田中裕介氏の過去作と共通する演出美学とは?
映像監督・田中裕介氏は、過去にRADWIMPS「オーダーメイド」やサカナクションの複数MV(例:「ミュージック」「夜の踊り子」)などを手がけてきました。
彼の映像演出に共通しているのは、“静と動”“都市と自然”など、相反するコンセプトを視覚的に繋ぐことです。
今回のライブ映像では、そうした田中氏の映像言語が最大限に活かされており、ライブ映像でありながらまるで映画のワンシーンのような“構図”と“呼吸”が感じられます。
こうした演出の積み重ねが、バッハ〜夜の東側の繋ぎを神格化しているとも言えるでしょう。
まとめ:絶対に見逃すな、この“2曲の間”
YouTubeで無料公開中の「SAKANAQUARIUM 2019 “834.194”」は、期間限定(2025年8月2日〜8月9日)となっています。中でもこの『バッハの旋律〜夜の東側』の繋ぎはファン必見。
映像作品としての完成度もさることながら、音楽・映像・感情が見事に一致した、まさに“神演出”です。ぜひ、夜にヘッドホンで、照明を落としてご覧ください。
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