ギターの演奏スタイルにはさまざまな種類がありますが、その中でも「難しそう」と敬遠されがちなのがフィンガースタイルです。

指だけで弾く、しかもリズムもメロディも同時に表現する…
そんな技術を見て、「自分には無理かも…」と感じたことがある方も多いでしょう。
ですが安心してください。
フィンガースタイルは、特別な才能が必要なわけではありません。
正しい練習方法とコツを押さえれば、誰でも必ずできるようになります。
この3つを、初心者向けにわかりやすく解説していきます!
ギター一本で音楽を自由に奏でる楽しさを、ぜひ一緒に体験してみましょう!
フィンガースタイルとは?ギター一本で全てを奏でる魅力

フィンガースタイルとは、指で弦を弾きながら、メロディ・リズム・伴奏を同時に表現するギター演奏スタイルのことを指します。
フィンガースタイルを使用したギター演奏はこちら↓
通常のコードストロークやアルペジオと違い、1本のギターで「歌」「リズム隊」「バンド全体」を再現するような、豊かな表現力が魅力です。
また、フィンガースタイルの中には、
など、さまざまなバリエーションが存在します。
さらに、日本では「フィンガースタイル」という言葉よりも、「ソロギター」という呼び名の方が親しまれているかもしれません。

つまり、フィンガースタイルはギター1本で曲を完結させられる、自由でクリエイティブな演奏スタイルなのです!
フィンガースタイルはどうやって弾くの?

フィンガースタイルの基本的な構え方
フィンガースタイルでは、ピックは使わず、指や爪で直接弦を弾いて演奏します。
まず大切なのは、手元の構え方です。手に力が入ってしまうと、弦をうまく弾けなかったり、リズムが崩れてしまったりする原因になります。
構え方の基本はこちら

構え方が自然体になっていれば、フィンガースタイルは驚くほどスムーズに弾きやすくなります。
画像のように力を抜いて、ゆったりと構えるようにしましょう。
さらに、指それぞれに担当する弦の役割があります。

- 親指 → 6弦、5弦、4弦(ベースライン担当)
- 人差し指 → 3弦(メロディ担当)
- 中指 → 2弦(メロディ担当)
- 薬指 → 1弦(メロディ担当)
親指はベースのリズムを支える。
人差し指・中指・薬指はメロディをつま弾く。
ギター一本で「リズム隊」と「ボーカル」を両立させるわけです。

この指の役割分担を理解するだけでも、フィンガースタイルの世界がぐっと身近に感じられるようになります!
アタック音について
※アタック音(パチン!という音)は基本6、5弦が鳴りやすいです。
ですので、3弦も親指で弾くと、少し距離が出来るためアタック音を出すのが少し困難。

フィンガースタイルを学ぶとどうなる?
そしてそんなフィンガースタイルを学ぶ上でメリットはいっぱいあります。
など、一度要領が分かると、コピーもしやすくなりますし、気に入った曲が知らない言語でも「少しやってみようかな」と手軽に挑戦したくなりますよ。
初心者がつまずきやすいポイントと解決法

フィンガースタイルを始めたばかりの頃、多くの人が同じような壁につまずきます。
でも、心配しなくて大丈夫。それぞれにちゃんと解決法があります!
指がバラバラに動かない
最初にぶつかるのが、「指が思い通りに動かない!」という問題。
これは、単なる指の力不足ではありません。
そもそも、指ごとの役割がしっかり頭に入っていないと、自然に動かすことは難しいのです。
この役割をまずは意識して、それぞれの指を独立して動かす感覚をつかんでいきましょう。
リズムがズレる
タブ譜を見ながら弾いていると、数字ばかり追いかけてしまい、リズムがどんどんズレていく…
これもフィンガースタイル初心者あるあるです。
弾いているメロディを声に出して歌いながら弾くと、自然とリズム感も身体に馴染んできます。
リズムに乗ることができれば、曲が生き生きと鳴りはじめます!
複雑なフレーズが難しい
スライド、ハンマリング、ボディヒット…。
タブ譜には難しい技術がたくさん書かれていますが、全部完璧にやろうとすると、確実に心が折れます。
細かい装飾音は、後から足していけばOK。

最初はシンプルな構成にして、一曲を通して弾ける体験を積むことを優先しましょう。
- 指の役割を理解してバラバラ動きを防ぐ
- メロディを口ずさみながら弾いてリズムをキープ
- 難しいフレーズは簡略化して練習する
この3つを意識するだけで、フィンガースタイルの挫折ポイントはぐっと減ります!
フィンガースタイルを続けるための心構え

フィンガースタイルは「ギター一本で音楽を完結させる」魅力的な奏法ですが、
だからこそ、最初は難しく感じたり、挫折しやすかったりもします。
そんなときに大事なのは、正しい心構えを持つことです。
完璧にコピーしようとしない
タブ譜を見て、

「あの人の演奏を完璧に再現したい!」
と思う気持ち、とても大切ですが、最初から完璧を求める必要はありません。

難しい装飾音や細かいニュアンスは、最初は気にせず、ベースラインとメロディがちゃんと聞こえれば十分です。
まずは「曲として成立する」ことを目標にしましょう!
好きな曲から始めることが一番の近道
練習を続けるうえで、最大のモチベーションは、「この曲が弾けるようになりたい!」という気持ちです。
あまり知らない曲や興味が薄い曲で練習するより、自分が大好きな曲をフィンガースタイルで挑戦する方が、はるかに楽しく上達できます。
テンポが速すぎない、バラード調の曲などを選ぶと、最初はより取り組みやすいですよ。
小さな成功体験を積み重ねよう
「1小節だけ弾けた!」「やっとリズムに乗れた!」
そんな小さな達成感をひとつずつ積み重ねていくことが、フィンガースタイル上達の何よりの近道です。
たとえまだ曲全体は完成していなくても、確実に前に進んでいます。
焦らず、コツコツ、自分のペースで楽しんでいきましょう!
練習におすすめの曲|Ed Sheeran「Perfect」
フィンガースタイルを始めたばかりの方に、ぜひ最初のチャレンジ曲としておすすめしたいのが、Ed Sheeran(エド・シーラン)さんの「Perfect」です。
この曲は、
といった特徴があり、フィンガースタイル初心者にも取り組みやすい内容になっています。

テンポが速くないため、最初のうちはテンポをさらに落として練習しても、違和感なく曲に馴染めるのも大きなポイントです。
Ed Sheeran「Perfect」の楽譜は、安心して使える公式楽譜サイト「ぷりんと楽譜」から購入できます。
\Yamahaぷりんと楽譜さんよりEd Sheeran|Perfectの楽譜はこちらから!/
フィンガースタイル向けのアレンジ楽譜も多数揃っているので、自分に合ったレベルの楽譜を選んで挑戦してみてくださいね!
まとめ
フィンガースタイルは、「特別な才能がある人だけができる奏法」ではありません。
正しいステップを踏み、コツコツと練習を続ければ、誰でも必ずできるようになります。
そのために大切なポイントは、たったの3つ。
この3つを意識しながら、
自分のペースで、少しずつステップアップしていきましょう。
そして何より大事なのは──
「この曲を弾きたい!」という気持ちを持ち続けること。
あなたにも、必ずフィンガースタイルを楽しめる日が来ます。
焦らず、楽しみながら、一緒にギターの世界を広げていきましょう!
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