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井上芳雄さんの歌声はなぜ変わったのか?うたコンで見せた進化と発声研究の軌跡

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井上芳雄さんは2000年『エリザベート』で鮮烈デビュー以来、“ミュージカル界のプリンス”として第一線を走り続けています。

ところが2025年8月のNHK『うたコン』出演後、SNSでは「声が変わった」「奥行きと深みがある」との声が相次ぎました。

では、何が背景にあるのでしょうか?

記事のポイント
  • 2008年当時は「透明感はあるがまだ深みはこれから」との評価もあった
  • 2017年『グレート・ギャツビー』出演時に10年ぶりに発声法を大きく刷新
  • 2021年には「セリフの喉と歌の喉」の違いを意識し、役ごとの調整を重視
  • 2025年『うたコン』では「奥行きと深みが増した」とSNSで反響

2008年当時の評価:「透明感はあるがまだこれから」

画像元:https://x.com/WOWOW_SOGO/status/1953700219318865986

2008年のYahoo!知恵袋には、当時の観劇ファンが「山崎育三郎さんのほうが心に響く」と比較した投稿があります。

回答者からも「クリアで透明感のある声質だが、経験や表現力の引き出しが今後必要」との意見が寄せられていました。

つまり、初期の井上さんは“美声”ではあるものの、“深み”という点では発展途上と見られていたのです。

当時のファンの中には「舞台姿はまさに王子様だが、歌声はまだ細い印象」と語る人も多く、次世代のプリンス候補として期待されつつも、山口祐一郎さんら大御所との比較ではまだ差を感じさせる段階でした。

観劇歴の長いファンからは「経験値や役の幅が増えていけば必ず化ける」という見立てもあり、まさに“伸びしろ”を評価されていた時期といえるでしょう。

2017年:発声法を10年ぶりに刷新

2017年『グレート・ギャツビー』の稽古中、歌唱指導の山川高風さんから「響かせる位置を一定に保つ」指導を受け、10年ぶりに発声法を大きく転換しました。

それまで“上と下を使い分ける”歌い方から“同じポジションを響かせ続ける”方法へと切り替えたことで、声に安定感と奥行きが生まれたと本人も語っています。

さらにこの転換は、長年の自己流の修正点を見直すきっかけとなり、歌う時の身体の使い方や呼吸の安定性にも影響しました。井上さんは「90度くらい変えた」と表現し、以前よりもロングトーンが楽になり、強弱の幅も広がったと実感。

観客からも「声が太くなった」「響きが力強くなった」と評判を呼び、この改革が後の舞台やコンサートに確実に生きていったといえます。

2021年:セリフの喉と歌の喉

2021年の連載コラムでは「セリフと歌では喉の使い方がまったく違う」と解説。ストレートプレイの公演でセリフばかりを発していると、音域が狭くなり歌の声が出にくくなる。

そのため、社歌のレコーディングでは再び“歌の喉”を作る必要があったと振り返っています。

ミュージカル俳優ならではの喉の切り替えの難しさを率直に語り、ケアを重視する姿勢も示しました。

さらに彼は、ブロードウェイ女優イディナ・メンゼルが『レット・イット・ゴー』をイベントで歌った際に批判を受けたエピソードを引用し、「役ごとに喉が変わるのは誰にでも起きること」と共感。

舞台役者が声をニュートラルに戻すために欧米では演技コーチに通う習慣があること、日本では難しい現実なども指摘し、喉作りをアスリートの身体作りに例えていました。

こうした視点からも、井上さんが声の変化を常に意識し、挑戦を続けてきたことが分かります。

2023年以降:ファンが語る「沼落ち」の瞬間

2023年のファンnote記事では、田代万里生さん経由で井上芳雄さんにハマった体験が紹介されました。

その中で「テレビでは音が外れて聴こえることもあったが、生で聴いたら圧倒的な声量で、テレビが耐えられていなかった」と実感。

これも“生の舞台でこそ真価が伝わる声”という特徴を表しています。

さらに記事では、ラジオ番組『井上芳雄 by MYSELF』をきっかけに日常的に彼の声に触れるようになり、コンサートやエリザベートの舞台を経て本格的に“沼落ち”したと綴られていました。

特に2019年の『エリザベート』再演で初めて芳雄トートを観た時の衝撃や、テレビでは伝わらない生声の厚みとエンターテイナー性に圧倒されたことが詳しく語られており、ファンの目線から見た“声の進化”を補強する貴重な証言となっています。

2025年『うたコン』での反響

画像元:https://x.com/nhk_osaka_JOBK/status/1960297469369298969

そして最新の『うたコン』では井上陽水さんの「少年時代」をカバー。

会場の大阪ホールから届けられた歌声は、テレビ越しでも響きの厚みや余韻が強調され、観客からも大きな拍手を集めました。

SNSでは「以前よりも奥行きと深みが増した」「声の温かさが増した」といった声が多数見られ、ファンの間でも話題に。

これは17年以降の発声法改革と、21年以降の喉の使い分けの意識、さらに年齢を重ねて得た経験や表現力が重なった結果と考えられます。

まとめ

井上芳雄さんの「声が変わった」との印象は、一朝一夕のものではありません。

2008年の段階では“透明感はあるがまだ細い”と評価されていた歌声が、2017年の発声改革、2021年の喉の使い分けへの自覚、そして日々のケアを経て着実に進化してきました。

さらにファンが体験した“生の舞台での衝撃”や、2025年『うたコン』での反響は、その努力と積み重ねの証といえるでしょう。

今後も年齢や経験とともに変化する井上さんの声は、多くの観客に新しい感動を届けていくはずです。

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